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精神科におけるPMDD(月経前不快気分障害)の治療について🌸こころコラム🌸

こんにちは。RICメンタルクリニック三軒茶屋です😊

生理前にメンタル面で不調が出る事はありませんか??

実は精神科での治療がとても効果がある、今日はそんなお話をしていきたいと思います🌼

今回は、PMDD(月経前不快気分障害)ついて詳しく解説していきます☘️

PMDD(月経前不快気分障害)の精神科治療について

PMDDは、月経の直前に気分が不安定になり、イライラ・抑うつ・不安・過敏さ・倦怠感・集中力低下・睡眠障害などの症状が強く現れ、日常生活に大きな支障をきたす病気です。PMS(月経前症候群)の重症型ともいわれ、特に精神症状が顕著であることが特徴です。

PMDDは婦人科領域の問題と思われがちですが、強い気分変動や抑うつ・不安症状を主訴として精神科を受診される方も多く、精神科での治療が有効なケースが多々あります。本稿では、PMDDの精神科的アプローチと治療法についてわかりやすく説明します。

1.PMDDの理解と診断

PMDDは、排卵後(黄体期)に症状が出現し、月経開始後数日以内に自然に軽快するという周期性が特徴です。そのため、診断には月経周期と症状の関係を記録した月経日誌(症状カレンダー)が非常に重要です。

PMDDの診断基準はDSM-5に明記されており、以下のような症状のうち5つ以上が、排卵後に現れ、月経開始直後に軽快することが条件です。

情緒不安定(涙もろさ)

激しい怒りや対人関係の摩擦

抑うつ気分、絶望感

不安、緊張感

意欲の低下、無気力

集中困難

倦怠感、過眠または不眠

食欲の変化(過食や特定の食品への欲求)

身体症状(乳房の張り、頭痛、関節痛など)

2.精神科での治療方針

PMDDの治療は、「症状の軽減」と「生活機能の回復」を目指して行われます。基本的には薬物療法と心理社会的アプローチを併用して進めます。

またPMDDは単独で現れることもありますが、他の精神疾患と併発しやすい特徴があります。PMDD自体がホルモン変動による脳内神経伝達物質の変調(特にセロトニン)と関連しており、他の精神疾患と脆弱性や背景要因を共有しているからです。特にうつ病との併発が多く、PMDDの30~50%がうつ病の既往または併存を持つとされます。不安障害(パニック障害や全般性不安障害など)も頻繁にみられ、月経前に不安や過呼吸などのパニック発作の再燃、緊張感が増す傾向があります。さらに、双極性障害(特にII型)との鑑別が重要で月経前の感情の激しさや衝動性が躁的傾向による可能性もあります。境界性パーソナリティ障害との併発も注目されており、感情の不安定さや対人関係の問題がPMDDと重なりやすいです。近年では、ADHD(注意欠如・多動症)の女性にPMDDの発症率が高いという研究もあり、感情調節の困難や衝動性がホルモン変動によってさらに強まることが指摘されています。PMDDの診療においては、これらの精神疾患との併発や鑑別を正確に行い、必要に応じて心理療法や薬物療法を調整することが重要です。

3.薬物療法

(1)SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)

PMDDの第一選択薬として、SSRI(例:フルオキセチン、パロキセチン、セルトラリン、エスシタロプラムなど)が推奨されます。PMDDではセロトニンの働きが周期的に低下していることが原因の一つとされており、SSRIはこれを補うことで症状を軽減します。

特徴的なのは、月経前の2週間(黄体期)のみ服用する「間欠的投与」でも効果がある点です。これは通常のうつ病治療とは異なるPMDD特有の治療法です。持続的な服用も選択可能で、症状の安定性や副作用、患者の希望に応じて決定されます。

(2)ベンゾジアゼピン系抗不安薬

不安や不眠が強い場合、一時的に抗不安薬(ロラゼパム、エチゾラムなど)が処方されることもあります。ただし依存のリスクがあるため、短期・最小限の使用にとどめます。

(3)漢方薬

体質や希望に応じて、加味逍遙散、抑肝散、桂枝茯苓丸などの漢方薬を併用することもあります。特に「怒りっぽい」「緊張しやすい」「冷えやのぼせがある」といった体質の方には一定の効果があります。

(4)ホルモン療法の連携

婦人科と連携し、低用量ピルやホルモン療法(GnRHアゴニストなど)が行われることもありますが、これは精神科単独では対応できないため、必要に応じて婦人科紹介となります。

4.心理社会的アプローチ

(1)心理教育

PMDDの周期性や脳の働き、対処法について、本人と家族に正しい知識を伝えることは非常に大切です。病気を理解することで、不安の軽減や症状の予測・対策が立てやすくなります。

(2)認知行動療法

PMDDによるネガティブ思考(「また気分が落ちる」「人間関係が壊れる」など)に対して、認知行動療法が効果的です。思考の修正やストレス対処スキルの習得を通じて、症状の波を穏やかにすることが可能です。

(3)生活指導とセルフケア

生活リズムの安定、カフェイン・アルコールの制限、軽い運動、バランスの良い食事、十分な睡眠などが症状の予防に有効です。また、症状が強くなる時期に無理なスケジュールを入れないよう調整することも重要です。

5.医師と患者の協働

PMDDの治療では、薬を出して終わりではなく患者の感情の波や生活の困難を継続的に共有しながら、柔軟に治療方針を調整する姿勢が重要です。月経日誌をつけてもらい、周期ごとの症状の変化を見ながら治療を進めると、患者自身が自分の変化を客観的に捉える手助けにもなります。

まとめ

PMDDは「月経前だから仕方がない」と思われがちですが、実際には日常生活や人間関係に深刻な影響を及ぼすことがある精神疾患です。精神科ではSSRIを中心とした薬物療法、認知行動療法、心理教育、生活調整などを組み合わせて、多面的に支援していきます。

重要なのは、本人が「これは自分の性格ではなく、脳とホルモンの影響である」と理解し、責めることなく対処法を身につけることです。医師や支援者との信頼関係のもとで継続的に治療していけば症状をうまくコントロールして生活の質を高めることは十分可能です。

前回PMS・PMDDをまとめた記事が↓になります🌷ぜひご一読ください✨

PMS・PMDDでも心療内科へ🌸こころコラム🌸from 三軒茶屋

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