適応障害とは?
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ある特定の状況や出来事がストレスとなり、そのストレスが原因で気分や行動面に症状が現れる病気です。誘因となるストレスは職場環境、学校での出来事や人間関係など日常生活で起こり得る状況です。その人にとってはストレスに感じることが、他の人にはストレスではないこともあるように何をストレスに感じるか、ストレスにどのように対応するか、耐えられるかという耐性は人それぞれです。
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適応障害の症状は?
抑うつ気分、不安、怒り、焦りや緊張などといった気分の症状や無断欠席、勤怠の乱れ、行きすぎた飲酒や暴食、無謀な運転、喧嘩、攻撃的な行動など行動面での症状もみられます。また、不安、緊張感から自律神経の乱れが生じ、手の震え、めまい、発汗、下痢、腹痛、動悸などの自律神経症状を伴う場合もあります。
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適応障害とうつ病の違いは?
適応障害と診断されても5年後には40%以上の人がうつ病などの診断名に変更されるなど、適応障害はその後の重篤な病気の前段階の可能性もあります。例えば、仕事上の問題がストレス因となり、勤務する日は憂鬱で不安が強く、手の震えやめまいがあるが、休みの日は憂鬱な気分が楽になる、リフレッシュできる場合があります。しかし、うつ病となると環境が変わっても持続的な憂うつな気分や興味関心の消失といって自分が好きだったことも楽しめない状況が続きます。こういった状況が2週間以上続く場合はうつ病と診断される可能性が高いです。
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適応障害の治療は?
まずはストレス因の除去です。ストレス因を取り除く、回避するなどの環境調整が治療の一つとなります。また、ストレス因に対してどのように受け止めているか考えていくと、その人の受け止め方にパターンがあることも多くみられます。このパターンに対してアプローチしていくのが認知行動療法と呼ばれるカウンセリングになります。抑うつ気分、不安、不眠などの症状に対して、適切な薬物療法を行うことも症状の改善や緩和につながります。