- RICだより
- こころコラム
広場恐怖とは?🌸こころコラム🌸

こんにちは。RICメンタルクリニックです☺️
今回のテーマは「広場恐怖」です。
広場恐怖は、日々の日常生活の中で支障をきたす可能性が非常に高い疾患です。
最初は軽い症状だった為、放置した後に不安や恐怖が徐々に広がり外出が困難になってしまう程に悪化してしまうケースもあります。
今日はそんな「広場恐怖」について解説していきたいと思います。
広場恐怖(Agoraphobia)とは、「逃げられない場所や状況を恐れる状態」を指します。名前に「広場」とありますが、実際には人混みや電車、バス、エレベーターなど、逃げ場がない・助けが得られないかもしれないと感じる場面で強い不安を感じるのが特徴です。
重症化すると外出そのものが難しくなったり、家から出られなくなったりすることもあります。
よくある恐怖のシチュエーション
以下のような場所で不安または恐怖を感じやすいのが、広場恐怖の特徴です。
電車やバス、飛行機などの公共交通機関
映画館やコンサートホールなど、囲まれてすぐに退室できない場所
駐車場や市場、橋などの広い場所
混雑したショッピングモールや群衆の中にいること
一人での外出
これらの場面で、「体調が急に悪くなったらどうしよう」「誰も助けてくれなかったらどうしよう」といった不安が強くなり、**避けようとする行動(回避行動)**につながります。
広場恐怖とパニック障害の関係
広場恐怖はパニック障害と深く関連しています。多くの場合、広場恐怖は「過去にパニック発作を経験が、再発を恐れて特定の場所や状況を避けるようになる」ことで始まります。
たとえば、
電車の中でパニック発作を起こした人が「また発作が起きたらどうしよう」と思い電車を避けるようになる。
外出先で倒れた経験がある人が、一人で出かけるのが怖くなる。
このように、「不安の記憶」が引き金となって生活範囲が狭まっていくのが広場恐怖の特徴です。
広場恐怖の主な症状
外出や人混みに対する強い不安
パニック発作(動悸、めまい、息苦しさなど)
回避行動(特定の場所を避ける)
誰かと一緒でないと外出できない
「また発作が起きたらどうしよう」という予期不安
これらの症状が日常生活に支障をきたすと、うつ病や不眠などの二次的な問題を引き起こすこともあります。
広場恐怖の原因
広場恐怖の原因は心因性のもの考えられていましたが、現在は以下の様に遺伝要因と環境要因が大きいと考えられています。
過去のパニック発作の経験
ストレスや過労、ライフイベント(転職、引っ越しなど)
不安傾向のある性格
家族や周囲の影響
喫煙・カフェイン
身体的な病気(甲状腺機能亢進症など)や薬の副作用が引き金になる場合もあるため、精神科での正確な診断が重要です。
治療法
広場恐怖は、適切な治療で回復が見込める不安障害です。主な治療法は以下の通りです。
1. 薬物療法
抗不安薬や抗うつ薬(SSRIなど)が用いられます。SSRIはセロトニンを選択的に増やすので、パニック発作そのものを予防的に落ち着かせる事が出来ます。
不安に対して即効性があるのは抗不安薬です。不安が高まった時のお守りとしても使われます。
医師の指導のもと、少しずつ減薬も可能です。
2. 認知行動療法
危険ではない状況なのに不安を感じてしまう思考を客観的に振り返り、見直していきます。
少しずつ苦手な場面に慣れていく「曝露療法」も行われます。
3. 環境調整と家族の理解
生活リズムを整えたり、無理のない外出の練習から始めることが大切です。
不安を管理してコントロール可能という実感を身に着けていく事も大切です。
家族や周囲の理解とサポートも回復には欠かせません。普段から声掛けや生活リズムを整えるという事だけでも大切なサポートになります。
当院でできること
広場恐怖の方は、「自分の不安は他人に理解されにくい」と感じていることが多くあります。しかし、そうした不安や回避行動には必ず理由があり対応策もあります。
当院では、
初診時にゆっくりとお話をうかがい
必要に応じて投薬やカウンセリングを組み合わせ
少しずつ安心して行動範囲を広げていく支援
を行っています。
**「外に出るのが不安」「電車に乗れない」**といったお悩みがあれば、どうぞ一度ご相談ください。
Instagram📷:https://www.instagram.com/sanchakokoro/
医療法人社団RIC RICメンタルクリニック三軒茶屋
三軒茶屋駅から徒歩3分の心療内科
『だれもが満たされた生活を送ること』その先に自己実現できる社会を創造していけると信じています。
当日予約受付/東急田園都市線・世田谷線よりアクセス良好/地域での回復を/専門医、女性医師在籍/訪問看護/専門職の面談/就労支援/