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脳科学からみた動機付けのしくみ🌸こころコラム あざみ野🌸

皆さん、こんにちは!RICメンタルクリニックあざみ野です✨

最近は梅雨入り前で、お天気が優れない日が多いですね。

この様な天候が続くと、やる気が落ちたりしませんか??

今日はやる気はどこから生まれるのか、脳科学の観点からお話していきたいと思います🌞

 

 

「やらなきゃいけないのにやる気が出ない😢」「前は楽しかったのに今は何もする気になれない」
こうした悩みは、誰もが一度は経験したことがあるでしょう。


この「やる気」や「動機付け」は、実は脳のはたらきによって大きく左右されています。動機付けが脳内でどのように生まれ、どんな神経メカニズムが関わっているのかを、最新の脳科学の知見に基づいてわかりやすく解説します。

 

🔦動機付けとは何か?

動機付け(モチベーション)とは、ある行動を起こし、それを維持し、目標に向かって努力し続けるための心理的エネルギーのことです。
行動の背後には「〜したい」「〜しなければならない」という理由や意味が存在し、脳内ではそれを生み出すしくみが働いています。

🔦やる気の中枢「報酬系」のはたらき

脳の中で動機付けに深く関わるのが「報酬系(reward system)」です。
報酬系は「快感」や「報酬が得られる予測」に反応して活性化し、行動を強化する仕組みです。

この回路の中心になるのが:

腹側被蓋野(ふくそくひがいや /ventral tegmental area VTA)

側坐核(そくざかく / nucleus accumbens)

前頭前野(ぜんとうぜんや / prefrontal cortex)

という3つの脳領域です。

特に「側坐核」は“やる気スイッチ”とも呼ばれ、快楽や報酬に関する情報を統合し、次の行動を促す重要な働きを担います。

 

🔦ドーパミンの役割:脳のごほうび物質

報酬系を活性化させるのが「ドーパミン」という神経伝達物質です。「快感」「意欲」「報酬」「運動」「注意」など、人間の行動や感情、思考に深く関わっています。


ドーパミンは、「報酬が得られそうだ」と脳が予測したときに多く分泌されます。

たとえば:

美味しい食事を想像したとき

好きな人に会える前にワクワクしたとき

ゲームでレベルアップしそうなとき

これらはすべて「報酬予測」によるドーパミン分泌が関わっています。
「報酬の予測」→「ドーパミン放出」→「行動の強化」という流れがモチベーションの原動力となるのです。

 

🔦前頭前野:やる気をコントロールする司令塔

やる気に関してもう一つ重要な脳部位が、「前頭前野(prefrontal cortex)」です。
ここは欲・判断・計画・抑制などの高次認知機能を司る領域で、報酬の価値を評価し、「今やるべきかどうか」を最終的に決定する役割を持っています。また前頭前野でのドーパミンの働きは、注意力や集中力、計画性にも関連しています。

たとえば:

「勉強するのは面倒だけど、試験のためにやろう」

「すぐには成果が出ないけど、将来のために継続しよう」

このような長期的な見通しを立てる行動は、前頭前野がしっかり機能しているからこそ可能になります。

 

 

🔦うつ病とモチベーションの低下:報酬系の機能不全

うつ病の代表的な症状の一つに、「興味や喜びの喪失」があります。
これは報酬系の機能低下やドーパミンの分泌異常と深く関係しています。以下の表はドーパミンが関与する主な疾患となります。

疾患 関連するドーパミンの異常
うつ病 ドーパミンの低下(意欲・快感の減退)
ADHD 前頭前野でのドーパミン不足(集中困難)
パーキンソン病 黒質のドーパミン神経細胞の減少
統合失調症 一部でドーパミン過剰(幻覚や妄想)と仮定されている(ドーパミン仮説)
薬物依存症 ドーパミンの報酬系が過剰に刺激される

うつ状態では、楽しいことをしても脳がうまく快感を感じ取れず、「何をしても楽しくない」「やる気が出ない」と感じるのです。
つまり、「行動→報酬→強化」のサイクルが断たれてしまうため、活動意欲そのものが失われやすくなります。

こうした脳の状態を「努力不足」や「気合いの問題」と誤解せず、脳科学的な視点から理解することが、適切な治療や支援にとって非常に大切です。

🔦意欲と感情は相互に影響する

意欲と感情は別物ですが、互いに強く影響し合います。たとえば、「楽しい」(感情)体験が「もっとやりたい」(意欲)を生み出すことがあります。また、強い不安や抑うつ感(感情)が続くと、報酬系のドーパミン活動が低下し、意欲がなくなることがあります。これが、うつ病で「やる気が出ない」と感じる理由のひとつです。以下の表は脳の観点から比較した表になります。

項目 意欲(モチベーション) 感情(エモーション)
主な脳部位 腹側被蓋野、側坐核、前頭前野 扁桃体、視床下部、海馬
主な神経伝達物質 ドーパミン ノルアドレナリン、セロトニン、GABAなど
機能 行動の動機づけ、目標追求 外部刺激への反応、危機管理
性質 将来志向(報酬の予測) 現在の状況への即時反応
制御のしやすさ 比較的調整しやすい 自動的で制御が難しいことも
このように、意欲は「これから○○したい」と行動を促す機能であり、感情は「今どう感じているか」という生理的・心理的な反応であるといえます。

目標に向けた行動(たとえば小さな成功体験を積み重ねること)によって、ポジティブな感情が生まれることがありますね。意欲と感情は切り離せないパートナーのような関係なのです。

 

 

🔦動機付けを高めるためにできること

では、やる気を脳から引き出すにはどうすればよいのでしょうか?
以下は、脳科学的に理にかなった工夫の一例です。

小さな成功体験を積み重ねる:ドーパミンは「予想外の報酬」によく反応します。簡単に達成できる目標を設定し成功するたびに「できた!」という快感を脳に与えることで報酬系が活性化します。

好きなこと・楽しいことに触れる:うつ状態であっても、少しでも快感を得られる活動に触れることで脳の報酬回路が刺激されやすくなります。

他者との交流をもつ会話や共感もドーパミンを刺激する要素です。人とのつながりを持つこともモチベーション回復の助けになります。

まとめ:やる気は「気持ち」ではなく「脳の反応」

動機付けは単なる根性論ではありません。
私たちの「やる気」は、報酬系という脳の回路と、ドーパミンという神経物質のバランスによって生まれています。
やる気が出ないときは「脳の調子が一時的に低下している状態」と考えることが大切です。

無理に自分を責めるのではなく、脳の仕組みに寄り添いながら、少しずつ行動を積み重ねていくことが、再びモチベーションを取り戻す第一歩となります。

 

 

 

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