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双極性障害とは ~元気な状態との判別が難しいことも~ 🌸こころコラム あざみ野🌸
はじめに
こんにちは。RICメンタルクリニックあざみ野です☺️
今回のテーマは
「双極性障害とは」です。
双極性障害とは、気分が高揚する「躁状態」と、気分が落ち込む「うつ状態」を繰り返す心の病気です🥲
単なる「気分の浮き沈み」ではなく、日常生活や仕事に支障をきたすほどの強い感情の変動が特徴です。
うつ病との区別や躁状態と元気な状態との判別が難しく、病院でも診断に迷うことがあります。
今回はそんな双極性障害の特徴、診断、向き合い方についてご紹介します🌱
躁状態とうつ状態の特徴
躁状態
躁状態では、以下のような症状がみられます。
- 気分が異常に高揚し、自信過剰になる
- 睡眠が短くても元気
- 話が止まらない、考えが次々に浮かぶ
- 衝動的な行動(浪費、性的逸脱、無謀な投資など)
- 他人に対して攻撃的・支配的になる
本人は「絶好調」だと感じているため、病識(自分が病気だと自覚すること)に乏しいケースが多いです。
周囲が「いつもと違う」と感じても、本人が受診を拒むこともあります。
うつ状態
うつ状態では、典型的なうつ病と似た症状が現れます。
- 強い憂うつ感
- 興味や喜びを感じない
- 疲れやすい
- 集中力の低下
- 自責感や無価値観
- 自殺念慮
躁状態との違いは、気分が高揚する時期とうつの時期が交互に訪れることにあります。
一見うつ病に見えても、過去に軽い躁状態(「軽躁」と呼ばれる)を経験している場合は、双極性障害の可能性を考えなければなりません🍀
双極性障害のタイプ
双極性障害には大きく分けてI型とII型の2種類があります。
双極I型障害
- 明らかな躁状態とうつ状態を経験する
- 躁状態が非常に強く、時に入院が必要なことも
- うつ状態の深さは個人差あり
双極II型障害
- はっきりした躁状態はないが、軽躁状態とうつ状態を繰り返す
- うつ状態が中心で、長く続きやすい
- 診断が難しく、うつ病と間違われやすい
II型は「軽い病気」と誤解されがちですが、実際には重い抑うつが長期間続くため、生活への支障は大きいです。
原因とリスク要因
双極性障害の原因はまだ完全には解明されていませんが、遺伝的要因と環境要因の両方が関わっていると考えられています。
- 家族に同様の病歴がある場合、発症リスクが高まる
- 強いストレス体験(失恋、失業、トラウマなど)
- 睡眠リズムの乱れ
また、脳内の神経伝達物質のアンバランス(セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリン)が関係しているとも考えられています。
診断と治療
診断
診断には、詳細な問診と病歴の把握が不可欠です。
特に、過去に軽躁状態がなかったか、丁寧に聞くことが重要です。
MRIや血液検査などで器質的な脳疾患を除外したうえで、精神症状を中心に診断します。
治療
治療の柱は、薬物療法と心理社会的治療の組み合わせです。
薬物療法
- 気分安定薬(リチウム、バルプロ酸、ラモトリギンなど)
- 抗精神病薬(躁状態のコントロール)
- 抗うつ薬(※単独使用は躁転リスクがあるため注意)
薬物選択には慎重なバランスが求められ、躁状態とうつ状態の両方に配慮する必要があります。
心理社会的治療
- 認知行動療法
- 家族療法
- 生活リズムの調整(規則正しい睡眠・食事)
- ストレスマネジメント
患者さん自身が自分の波を知り、早期サインに気づくことも非常に重要です✨
双極性障害と向き合うために
双極性障害は「治す」というより、「うまく付き合っていく」ことが大切な病気であるとされています。
完治を目指すあまり無理をして再発を繰り返すよりも、波のリズムを受け入れながら社会や自分とバランスを取ることが生きやすさに繋がります。
特に現代社会では、結果主義・自己責任論が強く、躁状態の「万能感」が評価されがちです。
しかし、その裏にある疲弊や落ち込みを社会がもっと理解し、無理な期待を押し付けない文化が必要だと感じます。
周囲の支えも重要です。
本人に病識がないときには、家族や友人が早めに異変に気づき、受診に結びつけることが回復の第一歩になります😌
おわりに
双極性障害は、一見元気な部分と深い絶望を持ち合わせる複雑な病気です。
治療は長期にわたることもありますが、適切なサポートと自己理解を深めることで、充実した人生を送ることに繋がります🍀
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『だれもが満たされた生活を送ること』その先に自己実現できる社会の創造していけると信じています。
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