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「今年も何もできなかった」と感じるあなたへ🌸こころコラム あざみ野🌸
「今年も何もできなかった」と感じるあなたへ:自己否定の悪循環を止めるヒント
年末が近づくと、多くの人が今年一年を振り返り、「今年も何もできなかった」「自分はダメだった」と感じてしまうことがあります。特に、新しい目標を立てたものの思うように達成できなかったり、周囲と比べて自己評価が下がったりする時期です。この自己否定の感情は、ただの落ち込みで終わらず、悪循環を生み出してしまうことが少なくありません。
精神科医の立場から、この「自己否定の悪循環」をどう捉え、どう抜け出せるのか、実践的なヒントをお伝えしたいと思います。
1. 「できなかった」と感じるのは誰にでもあること
まず初めに、あなたが「何もできなかった」と感じるその気持ちは決して珍しいものではありません。むしろ、多くの人が年末に同じような感覚を持っています。
「できなかった」と感じる背景には、理想と現実のギャップがあります。目標や計画は未来への希望を持って立てますが、日々の忙しさや予想外の出来事、体調の変化などで、思い通りに進まないことも多いものです。その結果、自己評価が下がり、「自分はダメだ」と感じやすくなります。
精神医学的にも、この自己否定は「認知の歪み」と呼ばれる状態の一つで、過度にネガティブな解釈や全か無か思考(白黒思考)が特徴です。たとえば、「今年は何もできなかった」=「自分は価値のない人間だ」と結びつけてしまうのです。
2. 自己否定の悪循環とは?
自己否定の感情が続くと、気持ちが落ち込み、やる気や自己効力感(自分は何かを成し遂げられるという感覚)が低下します。すると、新しい挑戦や行動を起こす意欲が減り、結果としてまた「何もできなかった」と感じやすくなるという負のスパイラルに陥ります。
この悪循環の中では、自分に対して厳しい評価ばかりが強調され、小さな成功や努力は見過ごされがちです。さらに、自己否定感はストレスや不安、うつ状態を悪化させることもあります。
3. 悪循環を断ち切るためのヒント
① 小さな「できた」を見つける
まずは「何もできなかった」という大きな否定ではなく、今年「できたこと」を探してみましょう。大きな成功でなくて構いません。例えば、「朝起きられた」「誰かに優しくできた」「新しいことを少し調べた」など、日常の中の小さな努力や成果を認めることが大切です。
この小さな成功体験を積み重ねることで、自己効力感が少しずつ回復し、悪循環から抜け出す一歩になります。
② 完璧を求めすぎない
「完璧にできなければ意味がない」と思う完璧主義は、自己否定の根本原因のひとつです。完璧を目指すあまり、「少しでもできなかったこと」が気になってしまうのです。
目標は「十分に良い」レベルで良しとし、小さな改善や成長を認めることに切り替えてみましょう。完璧でなくても、前に進めていること自体が価値ある成果です。
③ 周囲と比較しすぎない
SNSや周囲の成功を見ると、つい自分と比べてしまいがちです。しかし、誰もが自分のペースで生きており、見える部分だけでは全体はわかりません。比較は自己否定を加速させることもあります。
「昨日の自分」との比較に焦点を当て、昨日より今日少しでも良くなったことを意識する習慣をつけましょう。
④ 感情を書き出す習慣を持つ
自分の思いを紙に書き出す「ジャーナリング」は、ネガティブな感情を整理する効果があります。頭の中だけで考えると感情が膨らみやすいですが、書くことで冷静に客観視できるようになります。
「できなかった」と感じる理由や、その時の気持ちを具体的に書き出してみてください。感情の整理とともに、思考の偏りにも気づけることがあります。
⑤ 必要なら専門家の力を借りる
自己否定が強く、気分の落ち込みが長期間続く場合は、精神科医や心理カウンセラーに相談することも選択肢の一つです。専門家はあなたの気持ちを理解し、認知行動療法などの治療法で悪循環を改善する手助けをしてくれます。
年末の時期に限らず、自分を責め続ける状態が辛い場合は、一人で抱え込まず、適切なサポートを受けてください。
4. 新しい年に向けて
今年の振り返りは、ただ「できなかった」と責めるだけでなく、来年に向けてのスタート地点として捉えることができます。たとえ今年が思うようにいかなくても、それは「あなたの価値が低い」という意味ではありません。
自分のペースで、小さな一歩を積み重ねることが何より大切です。自己否定の悪循環から抜け出し、自分自身を少しずつ受け入れることができれば、来年はもっと自分らしく過ごせるはずです。
おわりに
「今年も何もできなかった」と感じる時は、心が疲れているサインかもしれません。そんな時は、自分を責めず、少し立ち止まってみてください。小さな「できた」を認めること、完璧を求めすぎないこと、周囲と比べないこと、そして感情を書き出すことで、自己否定の悪循環を少しずつ断ち切ることができます。
あなたは決して一人ではありません。自分自身に優しく、そして来年も自分の歩幅で進んでいきましょう。
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